2026/08/27 12:05
劇場版『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の好調が、音楽・書籍の両チャートに波及している。映画を起点に、劇中音楽や原作コミックスにも改めて注目が集まり、「ちいかわ」コンテンツの消費が広がっている。
「ちいかわ」はナガノがX(旧Twitter)で2020年から連載する人気キャラクターで、「日本キャラクター大賞グランプリ」で初の殿堂入りを達成するなど社会現象化。その初の劇場版として本作は2026年7月24日に公開された。公開から1か月足らずで興行収入100億円、観客動員数600万人以上を記録する大ヒットとなっている。
音楽面では、Billboard JAPANの総合アルバムチャート"Hot Albums"(8月19日公開分/集計期間:2026年8月10日~8月16日)で、オリジナル・サウンドトラックが初の首位を獲得した。「ちいかわ」関連作品が同チャートで首位に立つのは今回が初めて。同作は、7月29日公開分において12位で初登場後、8月5日公開分は前週比224%増で2位に急浮上。翌週も2位を維持し、お盆期間にあたる8月19日公開分では首位に到達した。
特徴的なのは、デジタル指標での好調が維持している点。ストリーミングは8月5日公開分以降3週連続首位、ダウンロードも4週にわたり上位2位以内をキープするなどデジタル指標での強さが続いている。主題歌「くつずれ」はハチワレ役・田中誠人が歌唱し、作詞はナガノ本人が手がけた。初動人気だけでなく、お盆休みという新たな山場で改めて需要が高まった、二段階型のヒットといえる。
書籍面でも、総合書籍チャート"Book Hot 100"(8月20日公開分)で原作コミックス『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』シリーズが軒並み上昇。劇場版で描かれる「セイレーン編」を完全収録した最新8巻(2025年11月発売)が前週の82位から53位へ、さらに1巻(2021年2月発売)が100位から57位、2巻(同年8月発売)が100位圏外から同64位、3巻・7巻もそれぞれ97位、94位まで浮上するなど、既刊5冊が同時にランクを伸ばす動きを見せた。
8巻は、8月6日公開分で前週の64位から一気に8位まで上昇したのち、8月13日公開分でいったん落ち着くも、お盆休みを挟んで再上昇。映画を「予習・復習」する既存ファンに加え、映画をきっかけに原作へ入る新規読者の双方が動いているとみられる。
この点は、同期間に合算ポイントが観測来の最高値を更新したサントラとは対照的だ。原作本は公開直後(8月6日公開分)にピークを迎えてなだらかに落ち着いたのに対し、サントラは口コミやリピート視聴を通じて聴取が積み上がり、お盆休みの行楽・帰省シーズンに二度目の高まりを見せた。単行本は鑑賞後にまとめて購入されやすい一方、音楽は聴くたびにポイントが加算されるストリーミング中心のため、楽曲に関心を持つ人が増えるほど、ロングランの効果が出やすいという、メディア特性の違いが表れた可能性がある。
同シリーズの累計発行部数は460万部を突破。映画の大ヒットを起点に、劇中音楽の聴取や原作コミックスの購読へと消費が広がっており、映画をハブとして音楽・書籍が相互に読者・ファンを呼び込む好循環が生まれている。
Text:Itchy
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